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【投稿作品】それぞれのラストシーン

たかしんに氏たこ氏あさぎり氏第9幕&あさぎり氏第10幕猫野丸太丸氏 ・うさ氏英明氏フレッシュイア氏

じょーかー


第二幕



「ここが今日から俺の部屋になるのかあ」

アタシの姿をしたオヤジは部屋の中をキョロキョロと見回しながら、さも嬉しそうに呟いた。

「何て言うか・・・いい匂いだなあ〜。若い女のフェロモンってやつが漂ってて。ん〜最高にいい気分だあ!」

突然街中で拉致されたアタシは、奇妙な機械を使って見知らぬ変態オヤジとカラダを交換されるという信じられないような目にあっていた。
信じるとか信じないとかいう以前に、そんなのあり得ない話だけれど、今アタシの目の前には間違い無くアタシ…前田美由紀がいて、それは悪夢と割り切れないほどに、あまりにも現実的過ぎた。
そして、2度と元に戻れないという言葉だけがアタシの頭の中をグルグルと駆け巡っていた。
信じられないのはそればかりじゃない。
アタシはオヤジの発する命令通りにカラダが動くようになってしまっていた。

アタシのカラダを奪ったオヤジは、オヤジになってしまったアタシに「自分の家に帰れ」と命じた。
するとアタシは言われるがままに見知らぬ路地裏にあった廃ビルから外に出て、道行く人々の冷たい視線を浴びながら最近借りたばかりのアタシのマンションへ向かった。

アタシの厚底がコツコツと床を鳴らして後をついてくるのが分かる。

アタシは、この変態オヤジをアタシの部屋に招き入れることに必死で抵抗したけれど、カラダの自由は一切きかず、重たいカラダでワイシャツを汗でグッショリにしながら我が家への道案内をしてしまったのだった。

オヤジが落ち着き無く部屋の中を見回している間、アタシは固まったように隅っこで立ち尽くす。
ただ歩いて来ただけなのにアタシは肩で息をしながら割れてしまいそうなほど激しい心臓の鼓動を収めることが出来ずにいた。
もう夏も終わりかけた秋風の季節だというのに、今のアタシは全身に水を被ったように汗をかいていた。
それでもアタシは、額から流れ落ちる汗を拭うことすら許されない。

息が苦しかった。

「若いくせに上等な部屋に住みやがって。まったくもって生意気な女だ」

オヤジはアタシのセミロングの茶髪を揺らして振り返るとニヤリと冷笑した。
あたりにふわっとアタシの大好きなシャンプーの匂いが漂う。

「そこに座れ」

オヤジの言葉に、アタシは即座に従った。
お気に入りのフローリングの床に“どすん”と音を立てて腰を降ろすと、アタシは胡座をかいて座りこむ。

「正座だよバカっ!」

アタシは思いっきり頭を蹴られると、すぐに正座をして座りなおす。
固いフローリングにアタシの…いや、オヤジの全体重をかけて正座するアタシを見下ろすと、オヤジは満足気に鼻で笑った。

「俺が今・・・何を考えているか当ててみな?」

アタシの姿をしたオヤジは細くしまったアタシの腰元に手を添えると、上体を屈めてアタシを見下ろした。
鏡で見慣れたはずのアタシの顔が、アタシ自身に向かってグッと近づいてくる。
まったく自由の利かなくなってしまったアタシは、そんなオヤジから顔を背けることも目を逸らすことさえ出来ないまま、別人のようにいやらしく微笑むアタシを見詰めなければならなかった。

「何考えてるかって俺さまの頭の中はグルグル回ってて壊れちまいそうだよ。だってな、今こうしている瞬間にだって俺の胸元には柔らかくってプルプルの重量感が走ってんだからなあ。ぐひひひひひひひ。エロでいっぱいだよ!頭の中はエロエロさ!!あはははははははは。あすこに置かれている化粧台の前に座るのが、俺にとってどれほどに狂おしいことか分かるかい?お嬢ちゃん。へへへ。あすこに写るのは、この汚らしい中年オヤジじゃないんだよ!!あすこの鏡に写るのは生まれ変わった俺の姿なんだ!!これがどんなに素晴らしいことか分かるか?!もう気が狂いそうだよ!!あのビルを出てからココまでの道中なんて堪らなかったよ。1歩ごとに胸元で揺れるオッパイを感じながら、風に長い髪をなびかせて、スカートの中で擦れ合うムチムチの太ももがよ。ひひひ、揺れるんだよ!弾むように揺れるんだ!全身の肉がな、こうプルンプルンって。何人もの男が俺の姿を舐めるように見てたぜ。へへへ。でもなあ・・・俺はまだお前の、いーや、自分のカラダを直接見ていない。これがまた格別だ!!うひひひひひひひ。いよいよご対〜面〜♪ってことさ。わざとだよ。そう、わざとベラベラ喋ってんだよ。何でか分かるか?前戯だよゼンギ!!こーして醜い自分と顔を突き合わしてなあ、自分の喉を流れる女の声を自分の耳で聞く。堪らなく・・・堪らなく興奮するんだ・・・あはははは、あはははははははは!!」

オヤジは荒い鼻息にのせて堪えがたい言葉をアタシに浴びせ続けた。
それでもアタシは顔の表情ひとつ変えずに、それを聞きつづけている。
もし、アタシのカラダの自由が利いていたのなら、アタシはどんな顔色をしていただろう。
ううん。もしアタシが自由なら・・・絶対にこの男を。。。

「何か言ってみろよ。是非とも今の感想を聞かせてもらいたいねえ。そして俺をもっと興奮させてくれ!!ほら!喋ってもいいぞ」

「・・・・・・」

「どーした?何とか言ってみろよ?」

「・・・絶対に許さない!」

アタシはオヤジの声で言った。
その低くシワ枯れた声に、アタシは全身が凍りつく思いだった。
アタシの口から流れ出るアタシの言葉は、容赦無くアタシがどんな目に遭ってしまっているのかを現実のものとして知らしめる。

「ぶふふふふ。許さないって?あはははははっ!!そーかいそーかい。ほんとに最近の若いもんは口の聞き方も知らないんだなあ?そこでな、正座したままジッと見てるがいいさ。自分が乱れるさまをね」

「やめろよっ!」

「おっと・・・忘れてた。絶対に口を開くんじゃないぞ。ふふふふふっ」

オヤジはアタシのカラダを化粧台の方に向けると、ゆっくりと歩み寄った。
離れていくアタシの後姿を、アタシはただ見詰めているしかない。
オヤジは、はあはあと興奮して息を荒げながら化粧台の前に立つと大きく深呼吸した。

「どれどれ・・・」

鏡にかけられたピンクのカバーを乱暴に剥ぎ取ると、オヤジは自分の姿を鏡に写して一瞬だけ沈黙した。
そして・・・

「はあああああああっ!何という!何というっ!!」

隣の部屋まで筒抜けになりそうな大声で叫ぶと、オヤジはアタシの手でアタシの顔をベタベタと触り始めた。
鏡の前のアタシは相変わらず白いマイクロミニが裂けるぐらいに股を大きく開いて立ち、褐色に焼けた太ももを剥き出しにしている。
パステルブルーのノースリーブから覗く腕を大きく上下させながら、その感触を確かめるように、何度も何度も必要以上にアタシの顔に触れていた。

「ギャルだぁ!ギャルだぁ!すごいぞ!本当にコレが俺の顔なのかぁぁ!最高に可愛いじゃないかお前は!!はぁぁぁ、何て小さい顔なんだぁ〜。スベスベで、プニプニしてて。あぁぁぁ堪らんっ!!この顔が俺のものになったのかぁ〜!!あははははははっ!!」

オヤジは鏡に向かって自分の顔を突き出すと、目を閉じてスリスリと頬擦りをしだした。

「あぁぁぁぁ。可愛いぞぉ〜俺の顔〜」

アタシは何度叫ぼうとしただろう。
自慢の・・・ハッキリ言って自慢だったアタシの顔が、アタシのカラダがガニ股で鏡に頬擦りするという不気味な光景を直視していることなんて出きるはずが無かった。それでもアタシはロクに瞬きもしないで、そんな自分の姿を直視し続ける。

やめて!

その一言さえ言葉になることは無かった。

「もー我慢できんっ!!」

そう言ったかと思うとオヤジはアタシのお気に入りだった薄い水色のノースリーブを乱暴に脱ぎ捨てた。
たちまちブラジャーに包まれたアタシの胸が露になると、オヤジは、とてもアタシのものとは思えないような奇声を発した。

「あぁぁぁぁぁぁぁぁっ!いいぞ!いいぞ!!おっぱいだぁ!!た、谷間がっ!!」

ガシッと両手がアタシの胸を掴む。

「うっ・・・・・・・うぅ!」

ビクビクっとアタシの全身が大きく波打ったかと思うと、アタシの姿をしたオヤジは口をポカンと開けて、その場に座り込んでしまった。

「あ・・・・あぁ」

消え入るようなか細い声を上げて、胸を掴んでいた両手をダランと床に下ろすと、オヤジは口をパクパクさせて何かを言おうとしていた。
まるで狂ったようなアタシがアタシの目の前にはいた。
全身の痙攣はおさまらず、オヤジはしばらく目を閉じたままカラダをヒクヒクさせていた。


「・・・・・す・・・すごい・・・・・・すごぉい」

やっとオヤジが声を発したのは、アタシにとって永遠とも思える沈黙の後だった。
スラックスが引き千切れるほどの太ももに乗る全体重がアタシの足を痺れさせる。
アタシは全身にかいた汗を冷たくさせながら、その痛みに気を失いそうになった時のことだった。

「・・・忘れていたよ・・・・・カラダの快感レベルとかいうやつを最大値にしてあったんだ。。。む、胸を触っただけで・・・気を失いそうなほどだ・・・」

アタシの方を向きながらニヤニヤと笑うオヤジの胸元を見て、アタシはビルの中での会話を思い出していた。

『ふふふっ。アナタもホント好きですねえ。感度MAXレベルなんかにしたら、乳首だけでクリトリス並の感度にな ってしまいますよ。まあ、アタシもそうしてますけど。それとバストサイズ10cmアップに、完全避妊体への変更 ですね。ふふふっ。アタシもイッちゃいそうだわあ』

そんなことまで・・・

アタシは我が目を疑った。

純白のブラジャーに包まれたアタシの胸は、アタシが知っているアタシの胸より遥に大きくなっていたからだ。
カップの合わなくなったブラジャーからは、こぼれ落ちそうなほどに胸が盛り上がり、自慢の谷間は更に深く大きく形成されている。

「ひひ・・・ひひひひひっ。これはスゴイぞ・・・・まだカラダに力が入らん。。。何という快感なんだ」

半裸のオヤジは、アタシのカラダで胡座をかいて座りこむと、あのビルから持ち出した紙袋の中を何やらゴソゴソと探りだした。
そうしている間も、まだオヤジは肩で息をして切ない吐息を漏らしている。

「おっ!あったあった!これだよこれ」

オヤジが紙袋から取り出したのは、一昔前の携帯電話のような何かだった。
オヤジは大きく盛り上がったアタシの胸元で、それを大切そうに握り締めると、何度目かの冷笑を浮かべてアタシを見詰めた。
そして、ゆっくりと立ち上がると引越しの時に買い換えたばかりのベットに腰をかけ、自分のものとなったアタシのカラダを見下ろしながら呟いた。

「これからが本番だぜ・・・・お嬢ちゃん☆」

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